読売新聞のサンル問題記事

2008年10月27日の読売新聞夕刊に、サンルダム問題の概要を報じる
特集記事が掲載されました。紙面を紹介します。
10/27読売新聞夕刊
※本文が読めない程度に、縮小とボカシをかけています。
御近所の新聞販売店で御入手、または図書館で閲覧して下さい。


記事は、まずサンル川のサクラマスの生態と風景を描写し、地元自然保護団体の危惧の声を紹介。そして「実験魚道」を設計した、安田教授(日本大学)のコメント、カワシンジュガイに関する後藤教授(北海道大学)らのコメントを紹介。さらに、ダムがサクラマスの遡上産卵に顕著な影響を与えていることを、国立環境研究所の福島研究員のレポートと、二風谷ダムの例をあげて紹介し、帰山教授(北海道大学)の、「ダム建設のリスクを科学的に検証する必要があるのではないか」というコメントで締められていました。

今回は、ダム建設による河川環境と生態系への影響に関する懸念が中心であり、ダム建設によって得られるとされるメリット(主として洪水対策)については、触れられていません。

10月に掲載された、サクラマスの産卵の様子を伝える記事の続編のようでもあり、今後、さらに続きの記事が出るのかもしれません。

●国立環境研究所によるシミュレーション

記事の左上に紹介されている地図資料は、国立環境研究所による、北海道において、ダム建設が、サクラマスの生息に大きな影響を与えていることを示す資料です。
国立環境研究所 サクラマス研究

左側は読売記事のもの。右側は、国立環境研究所のレポートによるものです。

細かいところが見にくいのですが、道内の多くの川で、サクラマスの生存が危機的な状況にあることが示されています。

一方で、このシミュレーションは、かならずしも実際の河川環境やサクラマスの状況と対応していないようでもあります。

例えば、日高地方の沙流川(Google map)でいえば、中流の岩知志ダムには魚道がなく、沙流川中〜上流域のサクラマスに甚大な影響を与えていることが確実(自然状態では絶滅)と考えられます。
しかしこの資料では、ダム建設による大きな影響(25%以上減少)は、沙流川の源流域に限られています。

また、沙流川の主要な支流の一つである額平川(平取ダム建設予定)では、かつてはサクラマスの捕獲場がありましたが、二風谷ダム(魚道あり)が完成した現在は、ほぼ絶滅状態となっています。この資料では、5〜15%の減少とされているにすぎません。

ダムの状況や魚の生息状況の実態把握(稚魚放流の影響等)、シミュレーションのモデル構築(反映のさせかた)に、まだ不十分なところがあるのでしょう。

ダム建設によるサクラマス生存環境への実際の影響は、国立環境研究所によるシミュレーション結果に示されるよりも、さらに大きなものである可能性があります。

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genre : ニュース

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