サンルダム魚道実験(途中経過)
サンル川のサンルダム予定地では、昨年より早い8月10日より、再び川を締め切っての魚道実験が行われています。上のグラフは、今年の実験開始から1か月が経過した、9月10日現在における、魚道の遡上尾数と、魚道下流に滞留等しているサクラマスなど大型魚の尾数です。北海道開発局サンルダム建設事業所が発表している数値から、グラフ化したもの。
8月中は遡上の動きが小さく、9月初旬の降雨による増水とともに、サクラマス等は、2度にわたって実験用魚道を遡上しています。9月10日現在、遡上した大型魚の数は、累計で144尾です。
地元の「下川自然を考える会」によると、実験用魚道の上流では、サクラマスの産卵が始まっているということです。今年の産卵ピークは、9月中旬でしょうか。
昨年度は、9月の魚道実験前に、2000尾以上のサクラマスが遡上していました。今年の遡上数は、昨年よりも、大きく減少している可能性があります。
実験用魚道下流の尾数(魚道下流700mまで)は9月1日より調査が行われています。4日と5日の尾数は発表されていません。8日と9日は、増水のために下流尾数を確認できなかったということです。
実験用魚道は、電動ポンプで汲み上げた水を流す人工の滝です。かつ、土嚢を積んで作られた堰から落ちる水は、魚が寄りにくいようにシャワー状に流下させられ、実験用魚道周辺のサンル川の状況は、自然の川とは、大きく異なっています。
魚道施設の直下には、自然の滝のような滝つぼがないため、魚道を警戒するサクラマスは、700mほど下流の深み(淵)に隠れて、遡上のタイミングをうかがっているようです。
●サンルダム魚道の機能を確認できない実験用魚道
実験用魚道は、落差が約1.8m、延長が約18m程度と、サンルダムに計画される魚道施設(落差約35m、延長約9000m)に対して、きわめて小さいものです。この実験用魚道では、サンルダム魚道全体の機能を確認・検討することができません。
開発局が召集した「天塩川魚類生息環境保全に関する専門家会議」でも、多くの専門家委員が、サンルダム魚道の実効性について、疑問視しています。とくに、ダム湖の岸辺を迂回するバイパス水路部は、非常に傾斜が緩く、浅く流量も小さいなど、きわめて環境が悪いことから、「魚が遡上をあきらめ、引き返してしまうのではないか」といった懸念が示されています。
疑問の声が多く出されているサンルダム魚道全体の効果は、ダム完成後(試験湛水後)に確認するとされています。まずダム建設が優先し、環境対策は「二の次」です。
●実験用魚道は、計画されるサンルダム魚道の、最下部の位置に設置されている。
ダム建設の際には、そのままダムの魚道の一部として利用されるのかもしれない。
実験用魚道下流の尾数(魚道下流700mまで)は9月1日より調査が行われています。4日と5日の尾数は発表されていません。8日と9日は、増水のために下流尾数を確認できなかったということです。
実験用魚道は、電動ポンプで汲み上げた水を流す人工の滝です。かつ、土嚢を積んで作られた堰から落ちる水は、魚が寄りにくいようにシャワー状に流下させられ、実験用魚道周辺のサンル川の状況は、自然の川とは、大きく異なっています。
魚道施設の直下には、自然の滝のような滝つぼがないため、魚道を警戒するサクラマスは、700mほど下流の深み(淵)に隠れて、遡上のタイミングをうかがっているようです。
●サンルダム魚道の機能を確認できない実験用魚道
実験用魚道は、落差が約1.8m、延長が約18m程度と、サンルダムに計画される魚道施設(落差約35m、延長約9000m)に対して、きわめて小さいものです。この実験用魚道では、サンルダム魚道全体の機能を確認・検討することができません。
開発局が召集した「天塩川魚類生息環境保全に関する専門家会議」でも、多くの専門家委員が、サンルダム魚道の実効性について、疑問視しています。とくに、ダム湖の岸辺を迂回するバイパス水路部は、非常に傾斜が緩く、浅く流量も小さいなど、きわめて環境が悪いことから、「魚が遡上をあきらめ、引き返してしまうのではないか」といった懸念が示されています。
疑問の声が多く出されているサンルダム魚道全体の効果は、ダム完成後(試験湛水後)に確認するとされています。まずダム建設が優先し、環境対策は「二の次」です。
●実験用魚道は、計画されるサンルダム魚道の、最下部の位置に設置されている。
ダム建設の際には、そのままダムの魚道の一部として利用されるのかもしれない。