サンルダム魚道実験終わる

北海道開発局サンルダム建設事業所が、サンル川のサンルダム予定地で8月10日より行っていた「魚道実験」が、9月30日午前に終了しました。今期の実験魚道の遡上数は、50日間で274尾であり、昨年9月に行われた実験の半分程度でした。
上のグラフは、実験用魚道を遡上したサクラマス等の数、魚道下流に滞留していたサクラマス等の数、そして、実験魚道の下流で合流している一の沢川での確認尾数です。
8月中の遡上は全体に低調で、9月初旬の降雨時に、まとまって70尾が遡上しました。その後、9月中旬から下旬にかけて、再度の遡上数の増加が見られました。
一の沢では、全体に確認数が少ないのですが、9月半ばから若干増加しています。
9月初旬に実験用魚道を上った70尾は、サンル川の上流で産卵を行う群のようです。9月後半のゆるやかなピークは、サンル川下流の、実験魚道周辺等で産卵する群と考えられます。
実験用魚道下流の滞留数は、概ね魚道の遡上数と対応しています。ただし、滞留数に対して遡上数が半分ほどであることが気になります。特に後半に集まっていた魚の半数が、産卵が近い等の理由で、実験用魚道の遡上をあきらめてしまったのかもしれません。
今回は掲載していませんが、実験用魚道下流700mの産卵床数は、9月の後半に、遡上数・滞留数と対応して増加しています(163か所)。
今年の遡上数が全体に少ないのは、2006年10月の大雨により、サンル川のサクラマス産卵床の大部分が破壊された影響と思われます。なお、サンル川全体の今年の遡上数・産卵数は、今回の発表資料からはわかりません。昨年は、9月の実験開始以前に、多量のサクラマスがサンル川を遡上していたようです。また、実験用魚道の設置による影響も、「実験用魚道がない場合」の平年値データがないため、正しく判断することができません。
魚道実験の後には、サンル川をせき止めていた大型土嚢等を撤去し、サンル川は再び元の流れに戻ります(ダム着工までですが)。これによって、実験用魚道の下流の流れが、サクラマスの産卵時とは変化し、実験魚道直下の多量の産卵床(163か所)に悪影響が生じる可能性があります。
※今回の魚道実験で274尾のサクラマス等が遡上したことは、あくまでも実験用魚道だけのデータです。実験用魚道の長さは18m、落差は1.8mしかなく、サンルダムに計画されている延長9kmにおよぶ長大なバイパス魚道の効果を、事前に確認できるものではないためです。
北海道開発局が開いている天塩川魚類生息環境専門家会議でも、多くの専門家が、サンルダム魚道の実効性について、問題を指摘しています。




